春はめちゃくちゃな気持ちになる


 四月。小さいサイズの缶ビールを買って、桜がみえる場所まで歩けたらな、とか思う。

 学生支援室に行かなきゃいけない。季節の変わり目は学生支援室。種々の手続きもあるけど、だいたいは出席が足りないゆえの成績不良やそれによって奨学金の継続が危うくなることを聞かされる。そういうのに慣れてきた自分がいる。こわい。

 春は突き進もうという気持ちとこれから始まる陰鬱な日々への嫌気が入り混じってめちゃくちゃな心もちになる。めちゃくちゃな心もちで花をみる。花はきれい。うとうと。

 勇み足はつまずく。足踏みすると出遅れる。焦り方が分からない。いつもまちがえてしまう。それでイヤになる。そのたび大人達に呆れられ、さとされる。0か100かみたいな考え方を改めなさい。そうだよなあ、何事もバランスが大事。でもわたし、誰にだって会いたいし、誰にも会いたくない。でもわたし、みんな大好きだし、全員大嫌い。

めちゃくちゃな気持ちのまま四月。